養育費の支払いが滞ったときは?

離婚調停や審判で、養育費の支払いが決まったにも関わらず、養育費支払い義務者が払ってくれない場合はどのような対処方法があるのでしょうか。

養育費の回収方法としては、家庭裁判所を通して行う「履行確保制度」と地方裁判所で行う「強制執行制度」があります。

履行確保制度とは

調停、又は、審判で養育費の支払いが決められているのに、義務者が支払いを行わない場合、権利者は、家庭裁判所に「履行の勧告」を申し立てることができます。

申し立ての方法は至って簡単で、特別の様式などもなく、電話や口頭で行っても構いません。費用も掛かりません。

家庭裁判所は、申し立てを受けると、養育費の支払い状況などを調査・確認し、義務者に対してその支払いを勧告してくれます。

養育費の支払い義務者にとっての心理的圧迫は大きいものがあるでしょう。

家庭裁判所の履行勧告にも応じない場合、「履行命令」の申し立てを行います。

家庭裁判所がその申し立てを受理すると、義務者に対して期限を定めて支払うように命じます。

家庭裁判所の命令に従わない場合、10万円以下の罰金が課せられます。

強制執行制度とは

公正証書(認諾文言記載付き)や、調停、審判で養育費の支払いが認められているのに、義務者が支払いを行わない場合、地方裁判所に強制執行の申し立てを行うことができます。

強制執行を行えば、相手方の収入や財産を差し押さえ、そこから金銭養育費を回収できることになります。

差し押さえができる財産は、給料、その他継続的に給付される債権となり、差し押さえができる金額の範囲は、給料などについては2分の1までです。

※平成16年4月から、養育費については扶養義務にかかる少額定期債権(将来の支払い日が確定している養育費支払い義務者の給料など)についても差し押さえができるようになっています。つまり、支払が滞った際に強制執行を行うとこれまでに滞っていた支払い分に加えて、将来の支払い分についても強制執行ができるということです。

支払い義務者の財産が不明な場合は財産開示手続き

離婚後、養育費の支払いが滞り、「差し押さえを行いたいが、転職してどこの会社に勤めているか分からない。」「どこの銀行に口座を持っているのか分からない。」 などといった事態になってしまった場合、財産を差し押さえようにも、現実的にはかなり難しくなります。

この場合、調停調書や和解調書があれば、地方裁判所に申し立てを行うことによって、義務者が持っている財産を開示させることができます。

※財産開示手続きは公正証書の場合は利用できません。

ケース別法的手続早見表

…効力あり
×…効力なし
履行勧告
履行命令
財産
差し押さえ
財産開示
制度
調停調書・和解調書
公正証書(強制執行認諾約款付き) × ×
公正証書(強制執行認諾約款なし) × × ×
合意書・念書 × × ×
口約束(書類なし) × × ×

 

離婚協議書・公正証書に関するお申込み・お問い合わせはこちら